相続した不動産の売却について!税金や注意点も解説

相続した不動産の売却について!税金や注意点も解説

実家などの大切な不動産を相続する予定があるものの、売却に向けた手続きや税金の仕組みが難しくてお困りではありませんか。
複雑な名義変更や見慣れない書類集めが多く、よく分からないからといって手続きを後回しにしていると、思わぬトラブルや金銭的な損失を招く恐れがあります。
本記事では、相続から不動産売却に至るまでの具体的な手順をはじめ、税金の計算方法や控除の活用術、未然に防ぐべき注意点について解説します。
専門知識がなくてもスムーズに不動産を売却し、損をすることなく手続きを完了させたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

相続した不動産を売却する手続きの流れ

相続した不動産を売却する手続きの流れ

不動産の売却準備には主に、相続人の確定や遺産分割協議などのステップがあります。
まずは、相続開始から売却前までの全体的な手続きの流れについて解説していきます。

売却までの主な手続き

相続が始まったら、まず亡くなった方の戸籍謄本などを集め、法定相続人を漏れなく確定させます。
相続人が1人でも欠けると遺産分割協議は成立しないため、出生から死亡までの戸籍をたどり、関係を整理することが重要です。
次に、登記事項証明書などで対象不動産の所在地や現在の名義を確認し、誰が引き継ぐかを相続人全員で話し合いましょう。
合意後は、協議内容をまとめて全員が実印を押した遺産分割協議書を作成し、印鑑証明書もそろえておく必要があります。
そして、管轄の法務局で相続登記を申請し、名義変更の完了後に売却条件を整理したうえで、不動産会社へ査定を依頼するのが一般的な流れです。

売却時に必要な書類

売却準備では、相続関係を示す戸籍謄本や遺産分割協議書、法定相続情報一覧図などをそろえます。
戸籍は本籍地が複数にわたることもあり、収集から発行まで1~2か月かかる場合があるため、早めの着手が安心でしょう。
また、登記識別情報は2~3週間、固定資産評価証明書は即日から1~2週間を目安に準備します。
本人確認書類や印鑑証明書も必要となるので、有効期限や発行時期に注意が必要です。
一戸建てでは測量図や境界確認書、マンションでは管理規約などを求められることがあります。
ただし、物件や契約内容で必要書類は異なるため、不動産会社へ確認しながら不足なくそろえることが大切です。

媒介契約と査定の流れ

不動産会社へ売却を依頼する際は、専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の3種類から契約方法を選びます。
専属専任媒介と専任媒介は1社に任せる方式ですが、一般媒介では複数社へ依頼することが可能です。
また、販売状況の報告頻度や、売主自身が見つけた買主と契約できるかも異なるため、希望に合う内容を確認しましょう。
査定から引渡しまでの期間は、5~6か月が目安となります。
内訳は査定に1~2週間、売却活動に約3か月、その後の決済に1~2か月ほどを見込むと良いでしょう。
そのため、相続書類の取得期間も考慮し、希望する売却時期から逆算して査定や媒介契約の準備を進めることが重要です。

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売却益にかかる税金の計算と控除の特例

売却益にかかる税金の計算と控除の特例

前章では売却に向けた一連の手続きについて述べましたが、実際に売却益が出た際の、費用負担も気になりますよね。
ここでは、不動産売却にかかる税金の計算方法や、特例の活用について解説します。

譲渡所得税の計算方法

相続した不動産を売却して利益が出ると、その譲渡所得に所得税や住民税などがかかります。
譲渡所得は、売却代金から取得費と仲介手数料などの譲渡費用を差し引いて計算する仕組みです。
購入時の金額が分からない場合は、売却代金の5%を概算取得費として扱えます。
また、売却年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら税率は39.63%、5年を超える場合は20.315%です。
相続では亡くなった方の所有期間を引き継ぐため、売買契約書などで購入時期を正しく確認することが欠かせません。
さらに、相続開始から約3年10か月以内に売却すれば、相続税の一部を取得費へ加算できる場合があります。

活用できる控除と特例

不動産売却では、条件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。
たとえば、相続人自身が住んでいた家は、住まなくなってから一定期間内に売却すれば対象になる可能性があるでしょう。
また、亡くなった方が1人で暮らしていた一戸建てには、空き家の特例を使える場合があります。
条件は1981年5月31日以前の建築で、売却価格が1億円以下であることなどです。
さらに、相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却する必要があります。
2024年以降は売却後の耐震改修や取り壊しも対象ですが、相続人が3人以上の場合は控除額が変わるため確認が必要です。

申告の流れと必要書類

比較的価格の低い空き家を売る場合は、仲介手数料の上限に関する特例も確認しておきましょう。
2024年7月以降、売買価格が800万円以下の物件では、不動産会社が受け取れる仲介手数料の上限は30万円に消費税をくわえた額となりました。
支払った仲介手数料は譲渡費用に含められるため、領収書を大切に保管することが重要です。
そして、売却による所得の確定申告は、原則として売却した翌年の2月16日から3月15日までにおこないます。
特例の適用で税額が0円になっても、控除を受けるには申告が必要です。
売買契約書や領収書の写し、特例ごとの確認書類を早めに整理しておくと、手続きを進めやすくなります。

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相続不動産売却で起きるトラブルと注意点

相続不動産売却で起きるトラブルと注意点

ここまで売却の手続きや税金について解説しましたが、スムーズに進めるための注意点も、おさえておきましょう。
最後に、相続不動産の売却で起こりやすいトラブルと、その回避策について解説していきます。

相続登記の義務化対応

2024年4月から相続登記が義務化され、不動産を相続したと知った日から3年以内の申請が必要になりました。
過去の相続で名義変更されていない不動産も対象となるため、売却を考えたら登記を確認しましょう。
亡くなった方の名義のままでは買主へ所有権を移せず、祖父母の代から未登記の場合は相続人が増えていることもあります。
また、住宅ローンを完済しても抵当権が残っていれば抹消登記が必要です。
登記上の住所と最後の住所が異なる場合には、住所変更登記も済ませなければなりません。
そこで、登記事項証明書を取得し、名義・抵当権・住所の状態を整理してから手続きを進めることが大切です。

契約不適合責任の対策

引渡した不動産が契約で約束した状態と異なる場合、売主が負う責任を契約不適合責任といいます。
古い住宅では、雨漏りや設備の故障など、外から見ただけではわかりにくい不具合が残っているかもしれません。
売却後に問題が判明すると、修補や代金減額などを求められる可能性があるため注意が必要です。
そこで、売却前に専門家の建物状況調査を受け、建物の状態を確認しておくと安心でしょう。
さらに、調査結果や修繕履歴、把握している不具合を告知書へ正確に記載し、契約前に買主へ説明します。
引渡し後に不具合が見つかった際も、事実を確認して話し合い、合意した内容を書面に残すことが重要です。

共有状態の売却リスク

遺産分割が終わっていない不動産は、相続人全員の共有財産として扱われます。
共有状態のまま不動産全体を売却するには全員の同意が必要で、1人だけの判断では契約を進められません。
そのため、売却に反対する方がいる場合や連絡できない相続人がいる場合は、手続きが長引くおそれがあります。
話し合いで合意できなければ、家庭裁判所の遺産分割調停や審判を利用して解決を目指すことになるでしょう。
分け方には、現物を分ける方法や売却代金を分配する方法などがあり、状況に応じて判断されます。
したがって、早い段階から売却方針や費用負担を共有し、全員で協力できる体制を整えることが大切です。

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まとめ

相続した不動産を売却する際は、相続人の確定や遺産分割協議を経て名義変更をおこない、書類準備を含め5から6か月程度の期間を見込んで計画的に手続きを進めます。
売却で利益が出た場合は所有期間に応じた税率で税金が計算され、条件を満たせば最高3,000万円の控除を活用でき、譲渡所得が生じた場合や特例を利用する場合は、翌年に確定申告が必要です。
相続開始から3年以内の登記義務化や契約不適合責任などのトラブルを防ぐため、共有者の同意を早めに得て、専門家による建物状況調査を実施すると安心でしょう。

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