負動産の相続について!リスクや具体的な手放し方も解説

負動産の相続について!リスクや具体的な手放し方も解説

将来、実家や土地などの不動産を相続する予定があるものの、「誰も住まない物件を相続して、手放せない負動産になったらどうしよう」とお困りではありませんか。
使い道のない空き家は、ただ所有しているだけでも毎年の固定資産税や維持費がかかり続け、放置すれば建物の倒壊といった深刻なリスクまで生じてしまいます。
本記事では、こうした負動産が引き起こす問題点から、売却や自治体への寄附といった手放すための具体的な方法、負担を防ぐ相続放棄の判断基準について解説します。
不要な不動産の処分方法を事前に知っておきたい方や、大切なご家族へ将来的な金銭負担を残したくないとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

負動産とは?

負動産とは?

負動産の問題に向き合うにあたり最初におさえるべきことには、主にその定義や維持コストなどがあります。
まずは、負動産の概要や、所有し続けるリスクについて解説します。

負動産の定義と背景

負動産とは、収益より税金や管理費の負担が大きくなり、持ち主の悩みになりやすい不動産を指します。
以前は不動産を持つこと自体が資産形成につながると考えられていましたが、人口減少や暮らし方の変化で需要にも差が出ています。
とくに、地方の実家や郊外の土地を都市部に住む子世代が相続すると、住まいとして使いにくい場合が多くあるでしょう。
その結果、空き家のまま維持するしかなくなり、売却や活用の見通しも立てにくくなるのです。
さらに、老朽化が進むほど費用面の心配も増えやすくなります。
つまり、所有者の生活拠点と物件の立地が合わないことが、負動産化を招く大きな背景といえるでしょう。

所有による経済的負担

不動産は使っていなくても、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税が毎年欠かさず課されます。
固定資産税は評価額をもとに計算され、一般的には標準税率1.4%で納め続ける必要があります。
また、都市計画税の対象地域では最大0.3%の税負担もくわわるため、思った以上に支出が続くこともあるでしょう。
空き家は換気や通水が不足しやすく、清掃や草刈り、簡単な修繕などの管理費も欠かせません。
さらに、遠方から通う場合は交通費や委託費がかかり、マンションなら管理費や修繕積立金も発生します。
電気や水道、火災保険の基本料金も残るため、小さな費用でも年間では大きな負担になりやすいのです。

放置による各種リスク

空き家を長く放置すると、屋根や外壁の傷みが進み、近隣へ配慮すべき危険が増えていくでしょう。
くわえて、庭木の越境や不法投棄、害虫の発生なども起こりやすく、地域の景観や衛生にも影響します。
自治体は管理が必要な空き家に対し、状態に応じて助言や指導をおこなうことがあります。
倒壊のおそれや衛生面の問題が大きい場合は、特定空家等に指定される可能性もあるでしょう。
その後、勧告を受けると住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が増える場合があります。
放置による行政代執行では、解体費用を請求されることもあるため、相続前から活用や処分の方向性を家族で整理しておくことが大切です。

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負動産の主な処分方法と手放すための活用術

 負動産の主な処分方法と手放すための活用術

前章では、負動産を所有するリスクについて述べましたが、ご自身の負担を減らすためにも早めに対応したいですね。
ここでは、売却や寄附など、負動産を処分する方法について解説します。

通常売却の流れや違い

負動産を手放す基本は、不動産会社へ相談し、登記情報や図面などをもとに査定を受けることです。
査定には、周辺相場から概算を出す机上査定と、現地で劣化や境界を確認する訪問査定があります。
とくに、空き家や古い建物は状態が価格に影響しやすいため、訪問査定で現状を見てもらうと安心です。
売却方法には、広く買主を探す仲介と、不動産会社が直接買い取る買取の2つの方法があります。
仲介は市場に近い価格での成約を目指しやすく、買取は条件が合えば早めに手放しやすい点が特徴でしょう。
ただし、契約不適合責任の範囲などは契約内容で変わるため、条件を丁寧に確認しながら進める必要があります。

空き家バンクの仕組み

空き家バンクとは、空き家を手放したい所有者と、利用したい方を自治体がつなぐ制度です。
登録料がかからない自治体も多く、地方移住や古民家活用を考える方に情報を届けやすい点が魅力でしょう。
一方で、自治体は情報提供や紹介が中心で、売買契約の代行までは原則としておこないません。
そのため、実際の取引では提携する宅地建物取引業者などへ仲介を依頼する流れが一般的です。
手続きは自治体への相談や申し込みから始まり、現地調査を経て物件情報が公開されます。
公開後は希望者からの連絡を待つため時間がかかる場合もありますが、地域によっては家財整理や改修の補助を受けられることがあります。

自治体等への寄附条件

寄附は売却が難しい不動産を手放す方法の1つですが、受け入れ側の目的に合うことが大前提となります。
自治体への寄附では、公園や道路など行政目的に使えるか、管理しやすい状態かを確認されます。
また、境界が明確で権利関係が整理されていることや、建物がないことなどを求められる場合もあるでしょう。
公益法人へ寄附する際も、その法人の活動に直接役立つ物件かどうかが大切な判断材料となります。
税金の扱いは寄附先や承認の有無で変わるため、事前に税理士へ相談すると安心です。
相続土地国庫帰属制度も選択肢ですが、建物付きは対象外となるため、売却や寄附と比べて検討することが大切です。

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相続放棄で負動産を手放す手続きと判断基準

相続放棄で負動産を手放す手続きと判断基準

ここまで、負動産を手放す方法を解説しましたが、相続そのものをしないという選択肢もおさえておきましょう。
最後に、負動産の相続放棄に関する手続きや、判断基準について解説します。

相続放棄の基本と手順

相続放棄とは、亡くなった方の財産や借金など、権利と義務を一切引き継がない家庭裁判所での手続きです。
不動産だけを放棄し、預貯金だけ受け取るといった財産ごとの選択はできません。
期限は相続の開始を知った時から3か月以内で、この期間を熟慮期間といい、期限を過ぎると選択肢が狭まってしまいます。
そのため、単純承認や限定承認と比べながら、どの方法が家族に合うか早めに検討しておきましょう。
手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てをおこないます。
申述書や戸籍謄本、収入印紙800円分などが必要となり、調査が間に合わないときは期間伸長の申立ても検討できます。

放棄前の財産調査確認

相続放棄を判断する前には、預貯金や有価証券などのプラス財産と、借り入れ金などの負債の内容まで丁寧に確認します。
負債には金融機関の借り入れれだけでなく、未払い税金や医療費、カード残高なども含まれます。
そのため、郵便物や通帳、契約書、督促状などを見ながら、見落としがないよう調べておきましょう。
不動産は法務局で登記事項証明書を取得し、所有者や抵当権、共有関係を確認することが大切です。
固定資産税や将来の管理費も含め、他の財産とのバランスで考えると判断しやすくなります。
なお、検討中に預金を使うなど財産を処分すると、相続を認めたとみなされる法定単純承認にあたるおそれがあるため、注意が必要です。

放棄後の影響と専門家

相続放棄が受理されると、初めから相続人ではなかった扱いとなり、相続権は次の相続順位へ移ります。
子ども全員が放棄した場合は、親や兄弟姉妹へ順番が進むため、親族間での情報共有が欠かせません。
共有名義の不動産があると持分の扱いがさらに複雑になりやすく、他の共有者への確認も早めに済ませておきたいところです。
また、放棄後でも現に占有している財産は、引渡すまで保存義務が残る場合もあります。
保存義務とは、建物の安全や状態を保つために、必要な管理を続けるルールのことです。

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まとめ

負動産は、税金や管理費が収益を上回る不動産で、放置すると劣化や特定空家等による税負担増のリスクがあります。
手放すには、不動産会社の仲介・買取、自治体の空き家バンク、条件を満たした寄附などの方法があります。
相続開始から3か月以内なら相続放棄も可能ですが、全財産を調べ、親族トラブルを防ぐため早めに専門家へ相談しましょう。

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